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社説「危機発生時の事後策管理を」

 以前から災害対応の中で言われているが「クライシスマネジメント」という言葉がある。クライシスマネジメントの定義を見ると、危機が発生したときにどのような対処をするかを管理すること。つまり、既に危機が発生した時の事後策。危機を未然に防ぐという考えのもとに危機管理を行う(事前策)リスクマネジメントと対局にある。

 近年頻発する台風や豪雨などの自然災害。その対応は大きく分けて、「平時の準備」「直前の準備」「直後の対応(初動)」「復旧(事業継続)」に分かれる。台風接近に伴う気象庁の予報に基づく注意喚起や、自治体が出す避難情報(準備や勧告など)のタイミングは早くなっている。たとえ空振りに終わっても、住民に早期の行動を呼び掛けることが被害を最小限に食い止めることができるという考えのもとで、過去の災害の教訓を生かしたものと言える。
 
 一方で、平常時に危機が起こった際、初期対応に失敗すると、危機的な状態が長引いたり、二次災害が発生したりして、平常の状態への復旧が遅くなってしまう。クライシスマネジメントにより危機を管理することで、早期に平常状態に復旧することを目指さなければならない。
 
 未曽有の被害となった2011年の紀伊半島大水害では、新宮市高田や田辺市本宮町の奥番地区で孤立集落が発生。情報伝達や救援物資を届けるにも苦労した。幹線道路である国道168号は脆弱で、山間地域の孤立の可能性を考えておく必要がある。当時は建設業界の迅速な行動により寸断された道路網は予想より早く仮復旧した。自治体とさまざまな業界団体で災害時の救援について協定を結んでいるが、定期的な情報交換や訓練を行うことで、有事の際の初期対応で有効に機能するだろう。
 
 住民の立場でも事後策を管理しておけば、災害時に最小限の混乱に抑えることができる。例えば、災害発生後の避難所生活。特に今年はコロナ禍で感染防止対策も意識しなければならず、3日間程度過ごせる非常食や飲料水に加え、マスクや消毒液などの衛生用品を非常持ち出し袋に入れておく。自宅で過ごせる場合でも電気や水道が止まっていると想定。普段の食事に利用する缶詰やレトルト食品などを備蓄食料とし、製造日の古いものから使い、使った分は新しく買い足して、常に一定量の備えがある状態にしておくなど、それぞれの家庭で必要なものを備蓄しておくことが大切になる。
 

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