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社説「コロナ禍のお盆 慎重行動求む」

 新型コロナウイルスの感染者の増加に歯止めがかからない。そんな中で迎えるお盆の帰省。感染すれば重症化リスクが高い高齢者が多く住む当地方では、帰省に対する警戒感が高まっている。

 独自の警戒宣言を出した三重県の鈴木英敬知事は、感染者数が急増している地域からの帰省を検討している人たちに対し、「体調が優れない場合は、三重県への移動を避けてほしい」と訴えた。熊野市長も同様のメッセージを発表。一方で、和歌山県の仁坂吉伸知事は、「今のところ、とやかく言うつもりはない。安全な外出、安全な営業をしている所に行ってもらいたい」と見解を示した。
 
 沖縄県の石垣島で7月末、県外の観光客由来と見られるクラスター(感染者集団)が発生。感染症専用病床が9床しかないことから、市長が危機感を募らせたが、その後、感染者が増え、ベッド数を上回る非常事態となった。当地方の感染症専用病床は新宮市立医療センター、紀南病院(御浜町)ともに4床で、クラスターとなれば地域医療は一気に逼迫する。新宮市議会では、お盆期間中の飲食店での感染を心配する声が上がり、市が休業要請を出す権限がないことに理解を示しながらも、「お店は(お盆に開くかを)迷っている。市長がメッセージを発信しては。市が言うなら決断が付くところも」と要請した。
 
 緊急事態宣言の全面解除から2か月が経過。感染防止と経済活動の両立を図るため、国は都道府県境をまたぐ移動を制限していない。観光支援事業「GoToトラベル」も実施中で、帰省だけに自粛を求めれば整合性がつかないため、自治体や個人に判断を委ねる形だが、あまりに無責任だ。
 
 今年はコロナ禍で迎える初めてのお盆。当地方では感染予防の観点から、風物詩である花火大会は各地で中止、初盆供養についても中止とした地区もある。例年お盆の帰省に併せて「成人の集い」(式)を開催している太地町と田辺市本宮町は開催を延期とし、古座川町は中止を決めた。
 
 最近の感染状況を見ると、若い世代を中心に無症状や軽症、感染経路が不明なケースが多い。帰省で友人らとの再会を楽しみにしている人もいるだろうが、会食は少人数で長時間にならないよう、また、飲食店のテイクアウト利用など、地元を想う気持ちで慎重に行動してほしい。国が明確な方針を示さないのであれば、自治体の長が、地域の実情を伝え、"お願い"をしっかりと発信すべきだ。
 

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