年末年始の繁忙期控えて
国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所は10日、年末年始の輸送などに関する安全総点検を行った。串本海上保安署と合同で実施。那智勝浦町の勝浦観光桟橋で紀の松島観光と浦島観光ホテルを、串本町の串本海中公園センターで串本海中公園センターを対象に点検した。
国土交通省では、輸送の繁忙期である12月10日から翌年1月10日にかけて、安全総点検を実施している。今回の点検も海上輸送の安全性向上と関係者の安全意識の高揚を図るため実施。施設などの点検整備状況、運行管理の実施状況、関係法令の順守状況などを各船舶に立ち入り点検する。
今年度の重点項目6点は
- 法令と安全管理規定の順守
- 安全設備の備え付けと旅客・乗組員に対する安全対策
- ターミナル・港湾施設などの保守点検
- 自然災害や事故など発生時の連絡体制・通信環境
- テロ防止のための警戒体制と乗客の安心確保のための取り組み、テロ発生時の連絡体制とテロを想定した訓練の実施状況
- 新型インフルエンザなど感染症対策
那智勝浦町での点検は、紀の松島観光の観光遊覧船と、浦島観光ホテルの連絡船に対し、同事務所と和歌山運輸支局から4人、串本海保から2人の計6人が行った。
関係者立ち合いのもと、関係書類のチェックや、乗組員へのヒアリング調査、消火器など設備チェック、救命胴衣の配備状況の確認、安全管理体制や救急時の体制確認など、船内に乗り込み各所を点検した。特に問題なしとの点検結果だった。
同事務所の堀川裕之事務所長はあいさつで「紀南地域では幸い、大きな事故は起きていないが、安全総点検を契機として一層の安全運航に努めていただけたら」と話し、船長らも健康に留意して安全運航するようお願いした。
浦島観光ホテルマネージャーの小谷由和さんは「年末年始は予約がいっぱい。それに向けて館内・船の整備をしている」と話した。連絡船は11月中ごろにエンジンクラッチに不具合が発生したが、現在は問題なく運航中。また今月17日~19日にも点検整備を行い、安全運航に万全を期すという。