第8回早田ブリまつりが22日、尾鷲市早田町で行われた。好天に恵まれ、昨年を2割ほど上回る約1200人が来場。ブリの刺し身や大敷汁などの振る舞いに舌つづみを打ったほか、〝浜値〟で販売されたブリを買い求めたり、市内の店のブースを巡って楽しんだりした。
早田大敷が水揚げし、船上で生け締めしたブリを販売用に大小100匹、ふるまいの刺身用に20匹分、600食を用意した。
販売は午前10時からで、受け付けが始まると多くの人が並び、一匹丸のままや半身になったものなどを買い求め、商品の入った発泡スチロールを受け取っていた。購入者限定で、伊勢エビなどが当たるくじ引きもあった。
ふるまいは午前10時からと11時からの2回あり、会場内にアナウンスが流れるとすぐに長い行列ができた。トレーには大きなブリの刺し身5~6切れが載せられており、「すごい(量)」と驚いている人もいた。
岐阜県から家族で来ていた杉山龍大(りゅうと)君(小6)は「早田に来たのは初めて。ブリは脂が乗っていておいしい」と話していた。家族によると買ったブリを自宅でさばき、ブリしゃぶで味わう予定という。
早田大敷の中井恭佑漁労長は「ブリは35分くらいで頭以外、完売となり、うれしかった。市場で仲買人が買うのと同じ程度の価格設定で、かなりお買い得。ぜひこの機会に食べてもらい、来年も来てもらえれば」と話した。
実行委員長を務めた山本久記区長は「例年より多くの人に来てもらえた。おととい、昨日くらいからブリも大漁で、去年より安価に出すことができた。試食も、本当にうまそうに食べてもらっている。まだまだおいしい時期なので、味を楽しんでもらいたい」と語った。
隣接する三木浦町では「海まちマルシェ」が開かれた。三木浦の魚市場周辺に、総菜、そば、クレープや軽食、びん玉、古着、活けマダイ、マグロなどのブースが並んだ。地域内外から大勢が来訪し、早田と三木浦の両方を訪れた人もいた。
新型コロナウイルス感染症流行以来実施できなくなっていた「三木浦こいやぁ」という物販イベントを引き継いだもので、昨年10月に企画したが荒天予報で中止となっていた。
企画した同地区の地域おこし協力隊、難波友範さんは「天気がよくてほっとした。1回目としては、いい出だしになった。三木浦地区はイベントがないので、出店者も来てくれた人も、みんなにこにこしていて、よかった。継続して続けていきたい」と話していた。次回は6月に予定している。