尾鷲市の令和7年度水道事業会計当初予算は総額が9億491万7000円で、前年度に比べ7219万円(7.4%)減。昨年度は、水道料金を平均34.6%引き上げる改定を行い規模が拡大したが、給水量の減少を見込むなどして予算が抑えられた。
予算の前提となる予定業務量は、給水戸数8713戸(前年度比70戸減)で、年間総給水量を302万7546立方メートル(同10万9456立方メートル減)。一日平均給水量を8295立方メートル(同672立方メートル減)と見込んでいる。
収益的収支は、営業収益が4億9531万1000円で、前年度当初予算比5053万1000円(9.3%)減、このほか営業外収益8186万円、特別利益4000円を見込む。
支出は営業費用が4億7109万9000円で95万2000円(0.2%増)。このほか営業外費用4530万7000円、特別損失50万3000円を計上している。事業収支は6026万2000円の黒字となる見通し。
資本的収入は給水加入金64万9000円、負担金559万6000円、企業債5760万円。資本的支出は建設改良債7594万1000円、企業債償還金2億5180万1000円。差し引き2億6389万7000円の赤字で、当年度分消費税および地方消費税資本的収支調整額684万1000円と損益勘定留保資金1億7692万5000円、減債積立基金801万3000円で補てんする。
営業収益のうち、上水道料金は4億2248万2000円で、有収水量は177万2000立方メートル、簡易水道料金は6985万5000円で有収水量は28万8000立方メートルを見込む。
費用は原水および浄水費が1億986万3000円、配水および給水費が6901万3000円となっている。原水および浄水費のうち動力費は、一昨年、昨年と同額の4914万円を計上。費用のほぼ半分を占めており、コスト高の要因となっている。
予定損益計算書によると、7年度純利益は5298万円で、その他未処分利益剰余金変動額を加味した年度末未処分利益剰余金は、6年度当初予算比1016万3000円の3億4844万3000円となる見込み。
12日に行われた市議会行政常任委員会での質疑では、昨年度の水道料金引き上げで、どれだけ経営が維持できるとの質問があった。執行部は「3年から5年をめどに改定するものとして算出している」と説明。収益的収支は黒字になっているが、現金が直接出入りしない収支の影響で、経営は厳しく「今後の動きを見ながら3~5年をめどに、料金改定審議会なども含めて計画させていただきたい」と回答した。