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社説「二兎を追う者は一兎をも得ず」

 新宮市が、2025年度補正予算と26年度当初予算にそれぞれ関係予算を計上した、満18歳を迎える新成人に30万円と、小中高校入学時に5万円を支給する新たな事業。2つの事業合わせて1億円を超える予算規模のため、開会中の市議会3月定例会では、本会議の質疑や各常任委員会での審査、一般質問で論戦が展開された。

 今回の一般質問で登壇した13人の大半がこの事業について、制度設計や財源確保、公平性、経済循環との関連付けなど、さまざまな観点から当局をただした。その中で、是々非々の論戦があった一方、「反対ではない」と前置きしながらも、反対ととれるような発言をする議員、当局が補正予算と当初予算に分けて計上した意味を理解できていない議員など、かみ合っていない場面もあった。「この議員は賛成なのか、反対なのか、どっちか分からない」という市民の声も。両方に良い顔しようとしても、"二兎を追う者は一兎をも得ず"で、市民は困惑するだけではないか。
 
 25年度補正予算の審議は終了し、原案通り可決されたが、新成人の30万円支給にはこの分を削除した修正案、小中高校入学時5万円支給には1万円に減額する修正案がそれぞれ提出された。いずれも賛成少数で否決されたが、提出議員は最後まで一貫性のある行動だった。
 
 あらためて言うまでもないが、市長は予算の執行権を持ち、議会は予算案の議決権を持つ。市長が提案した予算案について議会はその内容を審査し、議決を行うことで予算が決まる。認められなければ予算を執行できない。それぞれ異なる権限を持ちながら、両輪となって市政運営にあたっている。議員一人一人の責任は重い。
 
 現在の丹鶴ホール(文化複合施設)の建設を巡り、推進派と慎重派で市内を二分する事態になった際、市議会の予算審議が真夜中まで続いたことがあった。当時の議会の議論は賛否問わず、それぞれ一貫性があり、議論を尽くして何とか合意形成を図ろうとするものが多かった。今振り返れば、そのような熱い議論によって市民の市政への関心を誘い、あるいは市民の丹鶴ホールにかける熱意が議員に本気で当局と対峙するような流れを作ったとも言えるだろう。
 
 議員の力量は一般質問の内容で図ることができる。今定例会でもベテラン議員の理路整然とした説明は説得力があった。経験値は必要だが、同時に日々の勉強が大切。課長席で確認できるような情報収集は先に済ませ、知識として持って質問に臨めば、より深みのある論戦が展開できる。そのような議員が多くなれば議会全体が活気と緊張感にあふれ、市政に関心が向く市民も増えるのではないか。
 

      3月13日の記事

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