少し前に実家の庭の木に、細長い形の薄い黄色~オレンジっぽい色の実が2つぶら下がっていた。あまりに突然現れたので、母親がこれは何の実かと聞いてきた。そういえば10年ほど前に洋ナシの木を植えたことを思い出した。
それからしばらく経ち、実もだいぶ柔らかくなっていよいよ収穫の時を迎えたらしい。ある日、様子を見に行くと、何と下の部分がパックリ割れていたという。よくよく見てみると、アケビだったという話だった。
確かに、洋ナシにしては変な形だった。けれど家庭菜園なので、そんなものだろうと勝手に納得していた。10年目にしてやっと食べられると思っていたので、とんだぬか喜びだった。
果物は値段が高いので、家庭でできたらラッキーと思い、モモやブドウなどの苗を植えた時期があった。しかし手入れをまったくしなかったため、当然ろくなものができず、以来ほったらかしになっている。農家さんは、土づくりから選定、摘果、袋掛けなど、1年を通して収穫まで丁寧に育てている。おいしい果物を食べたければ、素人が安易な考えで手を出すものではなく、大人しく買った方がよさそうだ。
【織】