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紀南抄「七夕伝説の誤解」

 7月7日の七夕に合わせ、個人やサロンで笹飾りが行われていた。今年はコロナ禍で昨年と比べると、かなり少なくなった印象だが、それでも短冊に願いを込め、笹に吊るしている光景を見ると、『たなばたさま』の歌を口ずさんでしまう。
 
 七夕について、日本人の9割はその伝説を知っているが、同じ割り合いの人が織姫と彦星を恋人同士と誤解していることが、近年の調査によって判明している。「七夕伝説」とは、恋人同士が天の川をはさんで年に一度しか会えない悲恋の話だと大半の人が思っているが、実はこの二人、夫婦である。もともと織姫と彦星は、機織と牛飼いに勤しむ働き者だったが、結婚すると、やがて仕事を怠けるようになる。それを知り、怒った天帝が二人を引き離し、年に一度だけ、天の川をはさんで会うことを許したというのが伝説のあらましである。
 
 台湾には1年に2回、バレンタインデーが存在する。一つは旧暦の7月7日の「七夕」。織姫と彦星の伝説をもとにした「七夕情人節(チャイニーズ・バレンタインデー)」だ。伝説の事実をご存知なのかと、僭越ながら心配になる。
 
【茂】

      紀南紗

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