三重県知事選は大方の予想通り、現職の一見氏が再選した。得票数では、2位の伊藤氏にダブルスコアで〝圧勝〟の表現に間違いはないが、4年前の県知事選の得票率と比較しながら、もう少し細かく考察してみる。
手堅い一見県政は特段の悪評はなかったが、得票率は5%ほど落ちている。
組織の後ろ盾をもたない伊藤氏は、特にメガソーラーの阻止を訴え、SNSのライブ配信を多用し、若者世代では一見氏と拮抗した、という世論調査もある。県議補選で参政党の候補者もメガソーラー阻止を訴えていて、釧路湿原周辺のメガソーラー工事の中止勧告の報道も後押しになったのではないか。
石川氏は共産党系から支持を受けたのにも関わらず、前回から半減したのは、逆に無党派層を取り落したのではないか。
SNSの集票力は評価できるが、個人が既存政党をひっくり返すのはさすがに難しい。既存政党への不信感は根強いが、特に広範な選挙区での選挙運動は組織の力が有用。
選挙や政治の在り方が変わっていく時代の境目にいる。
(R)
