参議院選挙が佳境を迎えている。争点は物価高騰対策や少子化対策などのほか、外国人規制も注目を浴びている。個人的には、一次産業と環境問題でもっと議論が深まれば、と思う。
米価の高騰は備蓄米の放出で消費者の不満は抑えたものの、安定的な生産体制について腰を据えた議論が必要であることに変わりはない。米のみならず、一次産業は猛暑や記録的な豪雨、海水温の上昇などの自然環境の変化もあり、安定的なビジネスが難しい。
米価の報道を見ていて、消費者と生産者の価格的な折り合いと、食料自給率の重要性が主に議論されている印象があるが、一次産業は自然や景観といった環境面にも価値がある。安価な木材を求めて外材が流入した結果森林の維持が課題となったように、荒廃した畑が増えればさまざまな問題が発生し得る。
国破れて山河ありとは言うが、山河が乱れては国は成り立たない。目の前の生活に関わる施策とともに、長期的なビジョンや政策も活発に議論されてほしい。
(R)