近畿の約50チーム 300人超
日本レスリング協会による「令和6年度NTS(ナショナル・トレーニング・システム)近畿ブロック研修会」が28日まで、那智勝浦町で行われている。4泊5日の日程で約50チームから小6~高3の約320人の選手が参加。近畿2府4県のほとんどのチームが集まり、東京五輪とパリ五輪の金メダリスト2人も指導に加わる中、世界レベルのコーチ陣の指導を受け、高め合う。地元の新宮高校・新宮ジュニアレスリングクラブも参加している。
近畿ブロック研修会は、コロナ禍で中止となった2年間を除いて、2016年度から連続して那智勝浦町で行われている。那智勝浦町では、2015年の国体を機に、レスリングの合宿誘致に力を入れている。同協会公認のマットが6面敷けて、宿泊施設などの環境がそろっており、町も協力的なことで、同町での開催は近畿圏の関係者からも好評という。宿泊も全て町内の民宿・ホテルを利用している。
今回の研修会のコーチ陣は、東洋大学教員の前田翔吾さんをリーダーとして、2020年東京五輪65キロ級優勝の乙黒拓斗さん(自衛隊体育学校)、今年のパリ五輪76キロ級優勝の鏡優翔(ゆうか)さん(東洋大学)をはじめ、トップレベルの実績を誇る面々が集結した。
本格的な練習は26日~28日で実施。おおむね、午前中は技術練習、午後は実践的なスパーリングとした。選手らはコーチ陣の指導を真剣なまなざしで聞き、自分たちの動きに落とし込むよう実践を繰り返した。
なお、日程には各種大会の予選会も組み込まれた。25日には2025年U−15レスリングアジア選手権大会の日本代表選考会と、令和6年度JOCジュニアオリンピックカップ全日本ジュニアレスリング選手権大会近畿ブロック予選会(U17・U20)を行った。
新宮高校レスリング部顧問の藪中(やぶ・あたる)さんは、町や町内民宿などの応援に感謝し「これだけの規模の合宿を続けてきたからこそ近畿のレスリングのレベルが上がっている。地元選手の刺激にもなる」と語った。
NTS (ナショナル・トレーニング・システム)
ジュニア世代からシニアへの一貫した指導体制に基づいたアスリートの長期的な育成・強化を行うため、同協会が2001年に始めた制度。全国を6ブロックに分け、ナショナルチームコーチとトップアスリートが各ブロックで研修指導を行い、優秀選手は毎年2月の中央研修会に参加できる。