今年のきほく七夕物語が、現在の運営で最後になる。良い企画なので続けるべきだ、という言葉は飲み込まなければならない。どこかで区切りはつけなければならない。
昨年は熊野古道世界遺産登録20周年を記念して、馬越峠に会場を変更。ライトアップされた石畳の雰囲気は良かったが、「最後は銚子川で」という話は去年から聞いていた。
七夕物語が始まった2007年から、まちの状況は変わった。銚子川は〝奇跡の清流〟と呼ばれ、関東から来る人も珍しくない。観光課題も年間を通じての誘客、ハイシーズンのオーバーツーリズム対策に変わった。銚子川の魅力は十分に広まり、イベントとしての使命は果たした、とも言える。
もし存続するとすれば、若手が引き継ぐか、会場やコンセプトを変えるか。海水浴場、例えば和具の浜か古里あたりの海開きのイベントに転用できないか、とも思う。砂浜ならば回収もしやすく、夜のイベントは宿泊に直結する。考える理由は、かつて見た灯りに照らされる美しい銚子川への未練だろう。
(R)