尾鷲市立図書館に書籍購入の資金を寄付する寿文庫運動。本年度は43人が22万5248円の寄付が寄せられた。厄祝いにかかる経費を寄付してもらい、小説や絵本、図鑑などさまざまな分野の図書購入に役立てている。昭和41年からの取り組みで、まもなく〝還暦〟を迎える。
発案した人一人だけの意見では始まらなかったと思う。今年も19歳と25歳の厄年の人からの寄付があった。当初始めた人が、現在の若い世代に受け継がれているのを知ったらどのように思うだろうか。
来年度の予算をみると、図書館の備品購入費が260万円。消耗品費などは別に計上されているので、これが図書購入費だろう。一方で、本の値段も高くなっている。比較的安価な文庫本でも1000円ほどのものもある。
数年たてば、図書館が広くなり本を置く場所も増える。他地域では新図書館が建った時に、選書がでたらめで問題になったことがある。寿文庫運動のように、市民が図書館を気に掛けることが、地域で図書館を育てることにつながる。
(M)