東日本大震災から14年が経つ。津波にのみこまれていく見知らぬまち、爆発する原発、雪の舞う変わり果てた被災地、テレビの画面を見て、当事者ではないものの絶望的な気持ちになった。特に津波は南海トラフ地震の危険性を抱える本紙地域にとっても他人事ではなく、地域の重要課題の一つである。
先日尾鷲で震度2の地震があった。わずかな地震でも「もしこれが前震だったら」と身構えるようになったし、非常食や水、簡易トイレ、アルミ保温シートなど防災への備えも気になり次第集めるようになった。不安はつきまとうが、万が一の時に命が助かる可能性が高まる、と考えれば決して悪い話だけではない。避難場所やハザードマップ、防災の備えを確認してみるいい機会でもある。
東北の復興は道半ばで、若年層の流出や産業の持続的な成長など課題は山積しているが、被災直後と現在の被災地の写真を見比べてみると、着実にまちづくりが進んでいるのも見てとれる。類似点が多い東北や能登の復興は、私たちにとっても希望となる。
(R)