尾鷲市社会福祉協議会は「暮らしささえ合い塾」を開いている。公的な福祉サービスのすき間を、支え合いで埋めてできるだけ住み慣れた自宅で最期を迎えられる社会をめざそうとするもの。
介護保険の枠から離れた状態になると、それなりのお金持ちでないと一気に〝生活に困る〟こと。母が不安症状を訴えるようになった。連絡を受けたホームヘルパーさんや訪問看護師さんが、依頼しているサービス時間外に急きょ駆けつけることが頻回となった。年金の2か月分以上の追加料金が掛かる。近所の人にも同様の訴えをする。苦情が入るが、対応するには仕事を辞めるしかない。ホームヘルパーやデイサービスの時間以外に、話し相手がいればいいのだが「話し相手」というサービスはない。
それなりに面倒を見られる誰かがそばにいることが求められる。現在でも、担い手不足が指摘されているが、その解消とともに、「子どもがそばにいない」ことが増えている現状にあった制度設計に変えていく必要があると実感している。
(M)