夢古道おわせで約600万円の不明金が発覚した。不適切な会計処理の問題から2年が経ち、苦難のコロナ禍も過ぎ、燃料費高騰に対応するために指定管理料の増額にこぎつけ、さあこれからだという時に、痛恨の一言である。
問題があった時期、フィンガーライムの地ビールやヒノキの蒸留水の清掃用除菌水の販売、てるてる坊主、ありがとう風呂などさまざまなアイデアは本紙を含めたメディアが取り上げたが、それが増長を招いたのかもしれない。その裏で金銭の管理という商売の基本がなっていなかったと言わざるを得ない。
過疎化が進む中で観光振興は重要だが、尾鷲市は近隣市町と比べて観光資源に課題がある。夢古道おわせは今後も観光の核として活用していかなければならない施設。別の一般法人が次期候補に選定され、3年前のような休業は避けられそうだが、現在の運営会社は辞退で済ませてよい問題ではない。尾鷲市の観光の要を預かっていた企業は、株主だけでなく、市民にもしっかりと説明し、不信の払しょくに努めなければ、明日の尾鷲の観光振興につながらない。
(R)