紀北町出身、アルビレックス新潟の谷口海斗選手がストライカーとしてJ1の舞台で躍動している。今シーズン10得点目を決め、J1、J2、J3の全カテゴリーで2桁得点を挙げた初の日本人となった。日本人初はすばらしく、2桁得点もチームトップクラスの水準だが、この記事の見出しを〝快挙〟と評価できるか悩み、〝活躍〟と書くにとどめた。
谷口選手のキャリアは華々しいとは言い難く、プロデビューした盛岡時代はサッカーに専念できる環境でもなかったが、逆境を乗り越えて着実にキャリアップし続けてきた。言葉にすれば短いが、移籍する度にチームに溶け込み、指揮官の信頼を得て、結果を出し続けてきた、この足跡をたどっていくと、この記録の尊さがよく分かる。少なくとも、これを〝快挙〟と書けるのは出身地の小さな地方紙の特権だったのではないか、と自問自答している。
新潟は現在11位と中位で、谷口選手は得点ランキング10位。押しも押されもせぬ、立派なストライカーである。記事を書く機会はまだまだある。
(R)