尾鷲高校生が地元の課題の解決策を考える「まちいく」の発表を、毎年興味深く聞いている。今年は尾鷲市が熊野古道、紀北町が魚まちで、ともに観光誘客の要の一つで、保全や維持に課題がある。可能性と不安を抱える良問といえる。
熊野古道でのトレイルランの実施は、愛好家から注目を集めている尾鷲トレイルとの連携に可能性を感じる。駅前の露店では山梨のフルーツを生かしたキッチンカーの参考例に対し、加藤市長が「尾鷲で力を入れている甘夏は使えないか」と提案する一幕もあった。
魚まちのグループのうち、「漁師よりも漁師」のキャッチフレーズはインパクトがあり、レトロな体験をイメージしたプランには可能性を感じる。愛知県犬山市には明治村、岐阜県恵那市には大正村もあり、三重県にインバウンド客を念頭に昭和を全面に押し出した観光地づくりは有効かもしれない。きほく交流会で「夜の飲み屋がない」という意見があったこともあり、町を巻き込んだ定期的なバルの需要はあるのではないか。
(R)