尾鷲高校の「まちいく」の最終発表会があり、今年も生徒による地域活性化策を拝聴した。尾鷲市がゼロカーボンシティ、紀北町が農業と今年のテーマは難題だったが、具体性のある発表は興味深いものばかり。
尾鷲市の「みんなの森の活用案」では、森林鉄道としても活用できるモノレールは検討の余地がある。屋内でヒノキの遊具で遊べる施設は夢のある話だし、木を切らないアトラクションづくりや間伐材の活用など、環境に配慮した意見は先進的。
農業については農家の高齢化による耕作放棄地の増加の対応が課題だが、農地の集約化ができず、大規模農園による大量生産が望めない。国産が希少で単価率が高いライチに目をつけたのは秀逸だし、農作物とレシピをまとめた定期購買サービスもアイデアの一つ。空き家対策と農業振興を推進できる農泊は検討すべき施策の一つ。
ライチを提案した男子生徒は「ライチはちみつなどの加工販売などにも十分に可能性があり、全然いけると僕は思う」と力強く語った。手応えのある活性化策を考えつく人がこの地域にどれだけいることか。若者にこう言わしめるだけでも、まちいくをやる価値があったといえる。
(R)