元日号で尾鷲高校が100周年を迎えるという話題を取り上げた。尾鷲高校から50周年記念誌をお借りしたほか、尾鷲市史の本文も参考にした。木本との対抗意識もあったのだろうが、尾鷲地区の住民の教育にかける熱意はすごいものだとあらためて感じた。
特に中学生年代になると、庶民にとっては「働き手を取られる」という思いが強かったという話も聞く。一方で、どこだったか忘れたが東紀州には捕獲したクジラの収益で学校をつくったとの逸話も残る。総じて、教育は重要という認識が広まっていたのだと思う。
高等女学校や旧制中学の生活を知る内山廉子さん、野田敦美さんにも貴重な話を伺えた。機会があれば、もっとゆっくり話を聞きたい。特に戦争当時の話は、聞き残しておくべき話題だと思う。
尾鷲高校は地域唯一の高校だが、岐路に立っていると言ってよい。生徒数の減少は避けられないにしても、それが多様性の欠落につながらないようにすべきだ。
町立中学校は数年で県立移管を果たしている。住民の熱意が県を動かしたと言える。100周年を機に、再度尾鷲高校を地域で盛り立てていく機運が盛り上がればよい。
(M)