ヤーヤ祭りの練りと手踊りが３年連続で中止となることが決まった。行事の特性と感染状況を考えれば妥当な判断であり、関係者も断腸の思いでの決断であることは理解できる。ただ、残念で仕方がない。

 

　長引くコロナ禍の中で行動制限の緩和を受け、来年こそはもしかしたらと期待はしていた時もあったが、８月の徳島での阿波踊り大会で踊り手の４分の１が感染したと聞いて、これはまずいと思った。密着して掛け声を上げる練りの感染リスクは高い。

 

　コロナ禍でも安全にできないかと考えたこともあるが、なかなかいい案が思い浮かばない。仮に参加者を限定して徹底的に検査してデモンストレーションを行ったとしても、その熱気に当てられて偶発的な練りを誘発することは十分に考えられる。元々「天下の奇祭」と称される威勢の良さが魅力なだけに、祭りに参加する人をコントロールすることが難しい。感染症対策に取り組むとしても、３密のない練りはもはやヤーヤの練りではない。

 

　ヤーヤ祭りは尾鷲の魂であるからこそ、市民に負荷をかけて伝統に影を落とすような事態は避けるべきだと理解はしている。だが、あと１年１か月はあまりに長過ぎる。

 

（Ｒ）