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大型製材工場誘致、頓挫 中電跡地利用計画に大きな影響

 中部電力尾鷲三田火力発電所跡地に誘致を進めていた大規模製材工場について、尾鷲市は14日、市議会行政常任委員会で、事業者から「進出の検討を停止する」との報告があった、と説明した。誘致計画は白紙となる。跡地利用計画に大きな影響が出るのは不可避となった。
 
 加藤千速市長は「市民の期待感に沿えなかったことは本当に申し訳ない」とコメント。企業誘致活動についてあらためて対応を取る必要性があるとの認識を示した。
 
 2020(令和2)年に中部地方整備局主催の港湾連携利用方策検討会で、紀伊半島における大規模製材工場の優位性について発言があったのがきっかけ。22(令和4)年9月にインフロニアHDや銘建工業などの事業者グループが、事業化に取り組む旨を尾鷲市に伝えていた。当初の計画では、製材工場、集成材工場、バイオマス発電などを組み合わせて事業費100億円から200億円規模、最終的には約140人程度の雇用を見込む、という話になっていた。
 
 昨年3月には、事業者グループから市に対し、木材供給体制整備と新製材機械の開発が順調に進み新しい製材方法が確立されることを条件に、市に「意向表明書」が提出されていたが、その後の社会経済情勢の変化で「市況の悪化を上回るほどの生産性の実現に至るまでは見通しが立たない状況」であるとして13日、市に正式に検討停止の申し出があったという。
 
 委員会での質疑で加藤市長は、9月中旬に尾鷲港振興会に事業者グループから連絡があって知ったとし、「今年に入ってから、(新しい)設備についてはうまくいっていると聞いていた。2度、3度延期になっていたが、遅くとも29(令和11)年には着工されると考えていた」と回答。「停止と言っているが、(再開の)望みはないと思っている。頭がまっしろ」と述べた。
 
 関連してバナメイエビの陸上養殖事業の質問があった。加藤市長は「計画は変わっていない。出資者が見つかっていないのが進展しない理由。12月まで待ってくれ、という話」と現状を報告。「期限を過ぎた場合には行動を起こさないといけない。SEAモデル協議会として慎重に判断する」と答えた。
 
 議員からは「非常に残念」という声が上がったほか、SEAモデル協議会の動きが見えないとの指摘があった。中部電力にもっと積極的に関わってほしいとの要望も示された。
 
 取材に対し加藤市長は「製材工場ができるものと確信しながらできることはやってきた。『事業として成り立たない』ということは、受け止めざるを得ない。中部電力の跡地を活用してどんどん発展するという市民の期待感に沿えなかったことは本当に申し訳ない。一生懸命誘致活動をやっていかなければならない」とコメントした。

      尾鷲市

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