厚生労働省などによると、有毒植物や毒キノコによる食中毒で入院したり、亡くなる事例が後を絶たない。今年も4月6日に宮崎県で、60代の男性が亡くなっているが、原因は根の部分がヤマイモに似ているグロリオサの根をすりおろして食べたとみられている。
昨年まで過去10年間の有毒植物による食中毒の発生状況は201件、患者数は749人で、死者は16人。単純に平均しても年間20件、患者が75人、死者は1.6人。ニラやタマネギと間違えてスイセンを食べたり、サトイモとクワズイモを間違えたり、ゴボウやモロヘイヤ、アシタバなどとチョウセンアサガオを間違えた事例が報告されている。
また、毒キノコによる食中毒も令和2年までの10年間に327件発生し、患者数は877人、死者は3人。ヒラタケやムキタケ、シイタケと間違えてツキヨタケを食べた事例が最も多い。
キノコ狩りや山菜採りに豊富な経験を持つ人でさえ食中毒を起こした例があり、素人判断は危険。食用と確実に判断できない植物は「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」が原則。家庭菜園や畑などで野菜と一緒に栽培するのも止めた方が無難である。
(J)