新型コロナウイルス感染症対応の交付金を使って取り組む事業。引き続き「商品券を配ってほしい」という声が出ている。
消費喚起で現金を配っても多くが貯蓄に回る。商品券でも同じことで、おそらく尾鷲では、現金を配るのと結果にそう変わりはない。
市内経済への波及を考えれば、配るよりプレミアム付き商品券の方が効果は大きい。課題は、買えない人への手当。昨年は約35%が買わなかったまたは買えなかった人。経済的に困窮している人が購入しやすいように、何か手立てが欲しいもの。事務は煩雑になるが、政策的には消費喚起策のプレミアム付き商品券と、経済支援の商品券配布を分ける手もある。
使われる業種も限られている。昨年の利用集計を見るとスーパーが半分を超えている。執行部は、「幅広く効果が行きわたることを目指した」と説明していて、工夫がみられる。
一方で、中央公民館のマイク設備の更新は理由が弱い。密を避けなければならない状況がいつまでも続くわけでない。他の補助金を使って取り組むより、将来的にどれだけ負担が減るかといった点も含め、住民にしっかりメリットを説明してもらいたい。
(M)