5年ほど前、北陸旅行で福井県大野市を訪れたことがある。本命は東尋坊と兼六園で、大野市は大野城を見るくらいのつもりだったが、その場で入手したパンフレットを読みながら細かい名所を回って半日以上を過ごした。結局全国的な名所よりも過ごした時間は長かったし、思い出にも残っている。
魚まち歩観会が発行した冊子「ぶらり散歩」を拝読する機会があった。コロナ禍でガイド活動ができなくなり、その間に地域の魅力を再確認しようという取り組みで、大正、昭和初期から現在に至るまでの長島のまちを細かく紹介している内容で、何より会員の思い出話をからめた店や名物の小話がとても面白い。冊子は1か月ごとに発刊されており、現在は4冊目になるが、回を重ねるごとに明らかに筆が乗っているのが分かる。
先述の大野市は水路が巡ったきれいなまちなみで、小さな観光資源が丁寧に掘り出されていたからこそ十分に楽しめた。
多気のVISONの開業により、三重県南部に外国人旅行客の増加が期待されている。スーパーシティ構想や交通の便、燈籠祭や年末港市などを含めて考えると、観光地・港町長島としての可能性は十分にある。
(R)