新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け「野戦病院」という言葉がキーワードとして出てきた。野戦病院という表現はともかく、管理できる宿泊療養のための施設は必要。自宅療養では、各家庭に保健所職員が状況の聞き取りをしないといけないし、医師の往診を考えても非効率。以前にも書いたが、患者の行動が管理できない。治療が必要な人のために病床を開けるという目的があっても、患者をそうでない人から分離することができないのは大問題。
一方で、体育館などの利用もあまり現実的でない。ただでさえ大規模災害で体育館が避難所になると、感染症の懸念が出てくる。この環境を「難民キャンプ以下」と厳しい評価を下す災害医療の専門家もいる。症状は軽くても感染症の患者を受け入れるのだから、感染防止に役立つレベルの間仕切りと清潔な環境は必須ではないか。
となれば、当面考えられるのはホテルなどの借り上げか。ほかには、仮設住宅のようなスタイルも考えられるのではないか。
県内でも保健所の対応が追い付いていない。人員配置を手厚くするとともに、医療が受けられることを前提にした、療養の仕組みの改善が求められる。
(M)