紀北町議会の一般質問で、尾上壽一町長が新型コロナウイルスワクチンを一般高齢者に先がけて接種したことについて説明を求める声があった。町長は「政治的判断をする首長は危機管理の観点から打つべきであるという考えは持っていた。人と会う仕事が多く、出席しなければならない会議や出張もあり、私自身が紀北町にウイルスを持ち込み、感染を広げかねない」と答弁した。
公平性の担保は行政にとって非常に重要だが、首長には万全の体制で職務に当たる責任があり、ワクチンの先行接種は個人的にはあってよいと思う。
本紙地域は南海トラフ地震の危険性を抱えており、もし大規模な災害が発生した場合、予防対策が完全に機能しないことは十分に考えられる。もちろん人命に貴賤はないが、政治的判断を下す首長が緊急時に長期離脱する事態は避けるべきで、対外交渉や復興の進捗にも影響を及ぼしかねない。
一般高齢者への接種の目途がつけば、64歳以下への接種に移行する。災害時の備えとして、災害対応を担う危機管理課や、感染症対策を行う福祉保健課の職員への優先的な接種も検討してもいいのではないか。
(R)