矢浜小４年生が取り組んだ自然体験教育「川育・雨育・おわせ行く」がトム・ソーヤ奨励賞を受賞した。昨年度の宮之上小「山育」の推奨モデル賞に続く受賞は、アフターコロナの体験型旅行推進に向けて、子どもたちが大きなチャンスを作ってくれたように感じる。

　尾鷲市に限らず、地元の自然をいかした教育が珍しくない。紀北町でも水産スクールやみかん狩り、芋ほり体験など、農林水産業者の協力による学校行事は数多く見られる。

　「おわせ行く」は尾鷲市と三重大学が連携して実施しているが、紀北町でも可能性がある。例えば「川育」を銚子川で行い、さらに馬越峠を絡めれば、非常に高い集客力が望めるプログラムになるのではないか。

　尾鷲市と紀北町、三重大学の連携事業である尾鷲高校「まちいく」のように、子どもたちがそれぞれの市町の取り組みを発表し合い、互いの取り組みを体験して交流するのも面白いかもしれない。

　自然体験を通じて子どもたちが地元の魅力に触れることは、郷土愛を育み、Ｕターンにもつながる。「おわせ行く」を基軸とし、尾鷲市と紀北町が連携した自然体験教育プログラムの創設は検討してもいいのではないか。

（Ｒ）