警察庁が18日に発表した昨年1年間の交通事故発生状況によると、歩行中に亡くなった人は全国で1002人。前年に比べて174人(14.8%)減少したものの全体の35.3%を占める。状態別で最も多く、次いで自動車乗車中が882人(構成比31.1%)、二輪車乗車中が526人(同18.5%)、自転車乗用中419人(14.8%)と続く。
歩行中の死者のうち、58.1%の582人に何らかの違反があった。最も多いのが横断違反で246人。その内訳は、走行車両の直前や直後に道路を横断した人が116人、横断歩道以外の横断が66人、斜め横断37人、横断禁止場所19人、駐停車車両の直前直後が8人。横断違反以外では信号無視93人、酩酊など92人、通行区分違反54人…。判明していない32人を除き、「違反なし」は388人にとどまる。
前方不注意や安全不確認、横断歩行者妨害など、ドライバーにも原因はあるが、歩行者の6割が違反している状況は大きい。管内でも過去にはドライバーに同情したくなるような事案も発生している。ドライバーの安全運転は言うまでもないが、歩行者がルールを守れば防げる事故も少なくはない。
(J)