県外の釣り客への怒りの声を立て続けに聞いた。高齢化率が高い集落で感染者が出れば住人の生命の危機につながりかねず、しかもその不安の要因は見知らぬ他人の娯楽なのだから無理もない。
日本赤十字社は新型コロナウイルス感染症について「3つの顔を持っている」と紹介している。「病気そのもの」だけでなく、「不安と恐れ」、「嫌悪・偏見・差別」がつながり、負のスパイラルに陥ると警鐘を鳴らしている。目に見えないウイルスへの不安が、人間の生き延びようとする本能を刺激し、信頼関係や社会のつながりを壊すのだという。
感染症そのものには手洗いうがいに咳エチケット、「3密」を避けるといった行動が有効。
ウイルスに関する悪い情報ばかり目がいきがちだが、少しそんな情報から離れる時間を意識して設けるといいかもしれない。本を読む、お茶を楽しむ、好きな音楽を聞く、家でもできることはいろいろとありそう。
不安や恐れは自分の身を守るために必要な感情で、不安なものをなるべく遠ざけようとするのも、自然な心の動きだと思う。手洗いうがいを心掛け、気分転換を意識しながら、周りへの思いやりの心を忘れずに過ごしていきたい。
(R)