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社説「開通へ"秒読み" 安全対策を」

 熊野川河口大橋を含む新宮紀宝道路の開通を間もなくに控え、紀宝町側では紀宝インターチェンジ(IC)と国道42号との接続部分の工事が急ピッチで進んでおり、新宮市側では新宮北IC近くにある市立総合体育館(大浜)前交差点の信号機の運用が開始された。開通日時の公表はまだだが、情景や道路環境の変化で"秒読み段階"というのが分かる。

 県道あけぼの広角線の交通量は大幅に増えることが予想される。これまで三重県から和歌山県に向かう車両は国道42号の新熊野大橋(熊野大橋)からの流入に限られていたが、河口大橋が開通すれば、新宮市街地を通らずに新宮市郊外(三佐木方面)や那智勝浦町方面に抜ける。大浜体育館前の信号機設置は交通安全対策の一環。体育館を自転車で訪れる児童生徒も多く、すぐ近くの市営墓地を参拝する車の出入りもあり、ドライバーには信号機を見落とすことなく安全な運転が求められる。
 
 また、和歌山県側から三重県側に向けて河口大橋を利用する車両も相当数あること念頭に置いた交通安全対策が必要だ。国道42号広角南交差点では特に朝夕の通勤時、県道あけぼの広角線に右折する車がレーンを超えて滞留することが珍しくない。道路開通後は常態化する可能性もあり、片側2車線でスピードが出やすい形状も踏まえると、追突事故を防止するため、交差点のかなり手前から右折車の滞留に注意を呼び掛ける看板等の設置をお願いしたい。
 
 一方、開通する新宮紀宝道路は防災面でも大きな役割を果たす。南海トラフ巨大地震で予想される最大津波高よりも高い位置に設計しており、緊急輸送路としての機能だけでなく、発災直後の一時的な緊急避難場所にもなる。避難路は新宮市側に4か所、紀宝町側に3か所設置。有事の際(通常時は立入禁止)は入り口の扉を足で蹴って破り、スロープや階段を上がった先に一時避難スペースがある。自動車専用道路に災害時の待避所が設置されるのは全国的にも珍しいが、国土交通省が地域の特性や地元の要望も踏まえた上で設置を決めた。沿岸部に津波避難タワーがない新宮市はこのことをもっと周知すべきではないか。交通安全や防災対策に関しては、繰り返しの周知が住民の意識の高まりにつながる。
 

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