生活必需品が次々と値上がりし、住民は悲鳴を上げている。ガソリン価格を抑えるため、政府が石油元売り各社に出している補助金が16日から縮小された。これに伴い、レギュラーガソリンの小売価格は1リットル当たり5円程度値上がりし、1月中にも185円程度まで上昇すると見込まれている。少しでも支出を抑えようと、当地方でも"駆け込み"で給油した人が多かった。
当地方は車が日常生活の一部で、ガソリン代は節約することのできない"必要経費"。軽自動車でも満タンにすれば4000円を超える。昨年から価格の上昇が続き、さらに一気に5円程度の値上がり。「このまま高止まり」「まだ上がるの」といった不安の声は大きくなる一方だ。
ガソリン価格の約4割は税金。このうち、ガソリン税の上乗せ分に当たる25.1円は、1974年に道路整備の財源を確保する目的で暫定的に取り入れられた、いわゆる「暫定税率」で、政府与党は昨年12月、この暫定税率の廃止に向け協議を進めるとしたが、具体的な時期は示していない。
食料品の値上がりも深刻。キャベツが1玉500円を超えるなど、葉物野菜の価格が急騰。生産不良による出荷数の減少が要因だが、さまざまな料理に欠かせない食材だけに、家計だけでなく飲食店に与える影響も大きい。スーパーでは、1玉での購入を躊躇し、比較的安価な千切りタイプのキャベツに手を伸ばす人が見られるが、品切れになっているケースも多い。
長引く物価高騰。どこまで我慢すれば回復するのか、出口はなかなか見えず、住民生活は相当疲弊している。コロナ禍で各自治体が独自の支援策を実施したように、今こそ支援を検討すべきではないか。各家庭では生活が苦しい時には貯金を切り崩して乗り切る。各自治体の基金は住民みんなの貯金でもある。貯め込むばかりでなく、納税者(住民)への還元のタイミングを見誤らないことが大切だ。
各自治体では3月議会を控える。議員はそれまでに一人でも多くの住民の声を聞いて生活の実態を把握し、当局にはさまざまな支援の方策を練り準備を進める。議会での建設的な議論により、少しでも住民生活の支援につながる施策が実行されることを期待したい。