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社説「問われる議員の姿勢」

 全国町村議会議長会編集の「議員必携」というガイドブックを知っているだろうか。先日開かれた御浜町議会の議員協議会でこの話題が取り上げられ、注目を集めた。

 本紙エリアの各議会を取材していると、一般質問をはじめとした当局と議員のやり取りの中で、「議員必携」で不適切とされる「お分かりでありましたら教えていただきたい」「よく分かりました。ありがとうございました」など、必要以上に議員がへりくだっていることがよく見受けられる。経験豊富なベテラン議員であれば、一般質問のやり取りの中で当局から住民が知りたい情報をうまく引き出すことができるが、新人議員は通告した質問を読み上げ、当局もあらかじめ準備した答弁書を返し、それに対して「ありがとうございます」で終わってしまい、再質問や切り込んだ議論に発展しないというケースが少なくない。
 
 議論のテクニックは一朝一夕につくものではなく、経験が必要だが、新人のうちに「議員必携」で勉強し、時には議会全体で研修を行うことも大切ではないか。一般質問は議員にとって普段積み重ねている仕事の発表の場であると同時に、住民にとっては自分たちの住むまちの政治に関心を寄せる入り口の一つでもある。高圧的で偉ぶった物言いは論外だが、住民の代表として会議に臨んでいる以上、当局と真剣に向き合うことを常に意識してもらわなければ困る。
 
 地方議員は非常勤の特別公務員。月々の報酬に加えて、サラリーマンのボーナスに該当する「期末手当」も年2回支給される。報酬に見当たった働きを期待するのは、住民からすれば至極当然のこと。新宮市議会は令和5年度中、本会議を22日間開いた。委員会を合わせた会議出席日数(本会議と同日の委員会は含まず)は、最も多い議員で47日、少ない議員で41日だった。会議以外の時間は、住民との対話や各地のイベントや集会への出席など、各議員がそれぞれの活動に充てていると思うが、“勉強”の時間もしっかりと確保してほしい。
 
 最後に、会議冒頭の議長あいさつで、「議員各位には何かとお忙しい中、ご出席を賜りましてありがとうございます」の一文。事務局が作成した文書を読み上げているのだろうが、果たして必要か。会議に出席して議論するのが議員の最も重要な仕事で、言わば当たり前のこと。当局に対してだけでなく、議員同士でもへりくだる必要がどこにあるだろうか。間もなく各地で6月定例会が始まる。是々非々の議論を期待したい。
 

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