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社説「税金の投入 吟味と確認を」

 食品や日用品など生活必需品の値上げの波が昨年から続き、歴史的といえるほどの物価高で生活苦を身近に感じている住民は多い。切り詰めた生活を送りながら、国や自治体による経済対策や住民サービス向上への期待を寄せる声もよく聞こえる。

 そのような中、熊野市の熊野商工会議所が先日、元職員が6470万円あまりの資金を着服していることを会見で明らかにした。スポーツ関係のギャンブルなどに使っていたという。元職員の行動は許しがたいものだが、同時に商議所の会計処理と監査の体制や手法に問題があった。公共・民間問わず、お金を管理する立場にある職員は自覚と責任を持った仕事が求められるが、併せて不正をさせないための体制をしっかりと構築しておくことが組織としての責任ではないか。特に今回の商議所のような公益団体には行政機関からの補助金も入っており、住民感情からすれば、腹立たしい事案と言える。
 
 熊野市では2020年にも市が100%出資の財団法人が運営する宿泊施設で、職員による現金の着服事案があった。出納簿と現金との照合を毎日行わないなど、ずさんな現金管理体制だったことから見抜くことができず、財団の理事長である市長が再発防止へ管理体制強化を誓っていた。
 
 各自治体は毎年度、公益団体や外郭団体に補助金を支出しているが、正当に使用されているかどうかなどの確認は今以上にすべきではないか。例年通りの流れで支出せず、本当に適正な金額なのか、多すぎないか、逆に少なくないかなど、一つ一つ見定める必要がある。
 
 誰しも自分の財布だとひもは固くなる。まして今、物価高に直面しており、買い物一つも慎重になるという人も少なくない。公金(税金)の運用も同じ考えで行わなければならない。支出する前に吟味し、事後に確認する。予算書や決算書の表面には見えにくいものかもしれないが、注視することで見えてくる。議員の仕事の一つだ。
 
 細部にまで気にかけることで、結果として補助金が有意義に使われ、住民サービス向上につながる。住民からの税金を投入する以上、1円の無駄も許されないことを念頭に、自治体職員、議員ともに職責を果たしてもらいたい。
 

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