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社説「「定数8でも…」市民の冷めた声も」

 開会中の新宮市議会3月定例会で、三栗章史議長の議会運営について一部議員から「独裁」「差別的」と批判の声が上がった。市議15人のうち、自身を含めた、いわゆる議長与党8人での行動が目に余る。物価高などで生活苦が続く市民からは「新宮市議会は定数8に減らせばいい」などと冷めた声も聞かれる。

 三栗議長が“個人的な集まり”と説明した広域での議員交流会。事務局の那智勝浦町議から新宮市議の出席者調整を任されたが、声をかけたのは昨年の議長選挙で自身を支援したメンバーばかり。5日の本会議でこのことを追及した大西強議員は、市立医療センターの運営をはじめ特に医療関係で広域連携の必要性を以前から訴えているとし、自身が交流会に出席していないことで、他市町村の議員や市民から「非協力的」だととられかねないと主張。人口減少などにより今後ますます広域連携の必要性が求められ、国や県への要望にも議会一丸で行わなければならないのに、議長の言動により新宮市議会がバラバラな状態となっていることに危機感を募らせた。
 
 また、私立大学の設立に向け活動する関係者を迎えての説明会を、議長団含む前述の8人だけ出席のもと、市役所委員会室で開催したことについては、榎本鉄也議員が、議員活動と議会活動を混同し、短絡的な考えで許可した議長の資質を大いに問題視した。さらに、この件では、出席した月輪匡克議員が個人のSNSに自身の思いと、委員会室内で撮影した集合写真を投稿(現在は削除)していたが、公式行事と誤解を生む可能性を考えれば、慎むべきだったのではないか。
 
 議会制民主主義では、さまざまな案件に対して議論する中で合意形成を図り、最終的に多数決で物事を決めていく。決定後は「ノーサイド」の精神で、住民のために協力して物事を進めるのが本来だが、議長選後の三栗議長の言動を見る限りその精神は感じられず、対抗勢力として距離を置いていると見られても仕方がない。
 
 議員同士の争いは市民にとって何のメリットもない。今の市民の生活水準を考えると、議員の報酬は決して安いとは言えない。市議会では議会改革調査特別委員会を設置し、議員定数に関する調査研究を行っているが、この際、市民アンケートを行い、市民が適正と考える定数や、市民感情を調査してはどうか。何より市民の方を向いて仕事をするきっかけになるのではないか。
 

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