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社説「体験型観光の発展を」

 尾鷲市、紀北町にとって夏は観光客が最も多い時期である。特に海や川での水浴は、地元も含めて多くの人が楽しんでいる。場所や日時によっては、路上駐車、ごみのポイ捨て、放置など、いわゆる「観光公害」が発生している場所もある。受け入れ態勢の拡充には限界がある。また、人を呼び込めるのは夏だけということになると、観光地として産業を成り立たせるのは難しい。

 三重県は、体験観光に力を入れている。この地域は、海、山、川の自然豊かで、さまざまな体験が提供できる素地がある。少し場所を変えて、客を受け入れることができれば、来訪者の分散による混雑緩和につながる。一方で、海・川での活動は、時期が夏を中心に春から秋にということになる。寒い時期でも実施できるメニューの開発が、受け入れの幅を拡大する鍵になる。
 
 ある場所での「普通」が、観光客にとって魅力的であるというのはよく聞く話。体験の素材をどう発見し、組み合わせるかが重要。例えば、この地域の星空は、観光客に感動を与えられる素材だが、「絶景の星空を見るツアー」など商品として成り立たせるには工夫が必要だろう。
 
 「普通」が他者にとっての魅力であるということは、個々の仕事でも同じ。釣りは漁師にとっては仕事だが、レジャーとしても多くの人が楽しんでいる。農業では例えば、イチゴ狩り、ブルーベリー狩り、ミカン狩りはすでに体験観光の資源である。観光漁業では釣りや養殖の餌やりと干物づくりやバーベキュー、観光林業では間伐体験と木工なども開発の余地がある。
 
 継続していくためには利益が出ることが重要になる。繰り返しになるが、素材は十分にある。お金を使って体験してもらうメニューづくりと、磨き上げやほかの活動との連携で付加価値を高めることが大切。観光を地域の大きな産業として確立していくことが、当面の活性化につながる。
 

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