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社説「体験型レジャー 安全第一で」

 京都府亀岡市の保津川で28日に発生した、観光客向け川下り船の転覆事故は、ベテランの船頭2人が亡くなり、乗客9人が低体温症や打撲などで救急搬送された。報道によると、船には子ども3人を含む乗客25人と船頭4人が乗船。流れの激しい場所で、船尾で舵(かじ)取りをしていた船頭の1人が舵を空振りして川に落下。その後、船は岩にぶつかり転覆、全員が投げ出されたという。

 本紙エリアでは、世界遺産・熊野川で「熊野川川舟下り」、北山川で「瀞峡めぐり川舟クルーズ」がそれぞれ運航されており、今回の事故は他人事ではない。運営する熊野川町ふれあい公社は29日、船頭を集めて安全運航の徹底を再確認するとともに、救命胴衣(ライフジャケット)に異常がないかどうかの点検を行った。担当者は、「普段から安全運航に努めているが、より一層気を引き締めて臨むことを確認した」と話す。

 新型コロナウイルスの感染状況は落ち着き、5月8日には感染症法上の分類が季節性インフルエンザなどの「5類」に引き下げられることから、当地方への観光客は今後増加することが予想される。自然にあふれた当地方では、体験型観光の人気が高く、5月3日には、北山川観光筏下りの今季の運航開始も控えている。

 観光レジャーで何よりも優先されるべきは「安全」であることは言うまでもない。特に川や海など自然相手の体験ものは、日々の気象や環境変化に対応しなければならず、ベテランと言えど、油断は禁物。昨年4月、北海道の知床沖で発生した遊覧船の事故では、天候悪化が予想される中で出航したことに批判が集まったが、安全が少しでも脅かされる条件時には、中止する勇気と判断が求められる。熊野川町ふれあい公社はこの点について、定められた基準以前に船頭が少しでも危険を感じれば中止の判断を下している。

 観光客側の理解も必要だ。せっかくの機会が中止になるのは残念だが、全ては安全のため。最善の判断であることを理解し、運営側に詰め寄ったり、安易に批判したりする行動は控えてほしい。また、管轄する行政当局は、事業者の安全対策を注視するとともに、定期的に声掛けや訪問を行うなどして緊張感を保ってもらいたい。

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