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社説「一票の責任 政策や人柄重視で」

 任期満了に伴う和歌山県知事選が10日に告示され、3人の新人が立候補。現職の仁坂吉伸氏は立候補せず、2006年以来16年ぶりに新人同士の争いとなった。南北に広い和歌山県はこれまでも、県都の和歌山市や紀北筋が政治・経済の中心で、あらゆる面で"南北格差"を感じることがあった。新たな知事の誕生で、格差が少しでも是正され、紀南地方に光が差すような県政になることを望む。

 今回の知事選告示にあたり県選管委員長は、過去2回の知事選の投票率が30%台なのをはじめ近年の投票率の低下傾向を「極めて憂慮すべきこと」とし、「棄権することなく投票に参加し、責任ある一票を投じられるよう切望する」などの談話を発表した。来年早々には紀宝町議選、春には統一地方選として和歌山、三重両県の県議選、新宮市議選と選挙ラッシュになり、投票率は一つの注目点。
 
 選挙は民主主義の基盤をなすもので、自らの意思を政治に反映させる貴重な機会。昔から地方選挙ほど地縁・血縁による投票行動が色濃く、新たな風が吹きにくいとされてきたが、選挙権が18歳に引き下げられたこと、SNSを活用した選挙戦が全盛期を迎えた今、有権者の投票行動も変化のタイミングかもしれない。
 
 県議会や各市町村議会でよく指摘されるのは、「議員の活動が見えない」、「議員と住民との距離がある」など。議員は行政の監視役、住民と行政のパイプ役というのが大きな仕事になる。個人の活動として分かりやすいのは、年に4回ある定例会の一般質問に登壇し、諸課題について当局と論戦したり、提案したりすること。本会議や委員会での発言というのもあるが、住民に向けて分かりやすいのはやはり一般質問。ほとんど登壇しない議員は、前述のような指摘を受けても仕方がない。また、活動報告をまとめたチラシやリーフレットを配布する議員、各種会合に精力的に出席して住民との対話姿勢を示す議員がいる一方、新宮市議会では長年にわたり、議員同士の個人的な争いにより、本来すべき住民のための議論の時間がつぶされているのが実情で、これを"異常な議会"と称されても反論はできないだろう。
 
 県選管委員長の言葉「責任ある一票」を踏まえれば、異常な議会を生んでしまった責任の一端は有権者にもあると考えるべき。来る選挙では、これまで当たり前だった地縁・血縁から、人柄や政策で選ぶことに変化するという意識をもってもらいたい。
 

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