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社説「住民目線に立った議会改革」

 開会中の新宮市議会で、議員発案として議員定数を現在の15人から2削減の13人とする条例改正案が提出され、付託となった総務建設委員会で議論されている。

 議員定数削減の流れは、特に人口減少の顕著な地方で進んでおり、近隣では串本町が昨年4月の選挙から2削減の13人、紀宝町は来年1月の選挙から2削減の11人となる。那智勝浦町は昨年6月の町議会で議会改革特別委員会を設置し、適正な定数(現在12人)や報酬について議論している。
 
 現在の新宮市議会は2人欠員があり、実質13人で議会を運営。前回の定数削減時(平成30年9月、17人→15人)の議論で、人口2000人を1人の議員がカバーするという目安が示されており、2万7000人を割ろうしている現在の人口を照らすと、現在13人で開かれている現状がこの議論に合致する。
 
 議員は住民の代表として、住民から聞いた声を行政に届けて施策に反映されるよう努めるとともに、行政が住民のために適正に予算執行しているかどうかチェックを果たすのが仕事だ。いずれも住民目線で当局と対峙し、活発な議論でより良い方向に導くというのが本来の姿だが、新宮市議会の今定例会を見ると、議員同士の争いによる議事進行が相次ぎ、住民本位の議論がされていない。今回の定数削減案を提出した議員や質疑に立った議員の中にも「市議会議員は市民の代表だということを今一度考えて襟を正すべき」との発言があった。今の市議会には、期待する声より、無関心あるいは改革を望む声の方が多いだろう。
 
 行政と議会が両輪で動き、住民も政治に高い関心を示す自治体ほど、住みよい魅力のあるまちと言える。議会改革の一歩は住民から注目されるよう創意工夫することではないか。北海道鷹栖町の議会では、町議選が3期連続無投票になっていることに危機感を募らせた議員が、議会運営に少しでも関心をもってもらおうとユニークなチラシを作成。今回は決算審査のための案内を、家電量販店のチラシ風にしたことが話題を呼んでいると報道されていた。確かに数字だけが並ぶ決算書を見るより、メリハリのある広告風の決算資料の方が見やすく、自分たちが納めた税金の使われ方にも関心がわくだろう。
 
 議員定数削減は大きな改革の一つだが、それに限らず、現状を見直すことでも改革できる部分はあるはず。一人一人の議員が住民目線という原点に立ち返って活動してもらいたい。
 

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