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社説「成人年齢18歳へ 学校現場の役割」

 年始早々、本紙エリアの各地で令和4年成人式が行われ、晴れ着姿の新成人たちは祝福を受けて社会人としての一歩を踏み出した。今年成人を迎えたのは、新型コロナウイルス感染症が国内で急拡大した令和2年春に高校を卒業した世代。和歌山県教委による休校措置で新宮高や新翔高などは卒業式が中止になり、悔しい思いをした生徒らが、それぞれ進学先、就職先でコロナ禍の中、奮闘を続けながら晴れの日を迎えた。苦労を力に変えて頑張ってほしい。

 明治時代から約140年間、日本での成人年齢は20歳と民法で定められてきたが、この民法が改正され、今年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に変わる。4月1日に18歳、19歳に達している人は、その日から新成人となる。これまで各自治体が行ってきた成人式の時期やあり方に関しては、法律による決まりはなく、今後、各自治体が実情に応じた対応ができるよう取り組んでいく。
 
 成人に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思でさまざまな契約ができるようになる。一方で、飲酒や喫煙、競馬・競輪などの公営ギャンブルはこれまで同様に20歳にならないとできない。
 
 また、成人年齢の引き下げに合わせて少年法も改正され、今年4月に施行される。新たに成人となる18歳と19歳は「特定少年」として引き続き保護されるが、家庭裁判所から検察に逆送致する事件の対象が広げられ、17歳以下とは一部異なる取り扱いになる。起訴された場合、実名や顔写真などを報道することも可能となっている。
 
 成人になればさまざまな権利が得られる一方、社会的な責任が伴う。成人式などで呼び掛けられてきたことだが、これまでよりも早く"大人"になることについて、今後は学校教育の現場でしっかりと自覚させていくことが大切だ。
 
 罪を犯せば名前が出て、半永久的にネット上に残るかもしれない。学校を退学になるかもしれない。家族や親族にも迷惑がかかるかもしれない。また、さまざまな契約が自身の判断でできるようになることから、社会経験に乏しく、保護がなくなったばかりの成人を狙い撃ちにする悪質な業者もおり、消費者被害の拡大も懸念される。若者が自由をはき違えることなく、成人としての第一歩を無事に踏み出すためにも、繰り返しになるが、学校現場が担う役割は大きい。「成人の心得」を教育の一環として指導してもらいたい。
 

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