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社説「コロナ禍 無関係な税金投入」

 新宮市が被告となった訴訟に対応するための弁護士費用69万3000円。市議会12月定例会に一般会計補正予算案として計上され、初日に賛成多数で可決された。訴訟の内容は、元市議の女性が、現職市議の男性に名誉を傷つけられたとして、市に慰謝料200万円の支払いを求め和歌山地裁新宮支部に提訴したものだ。

 「なぜ、新宮市が訴えられるのか。当人同士の問題では」と指摘する声がある。国家賠償法では、公務員が職務で違法に他人に損害を与えた場合、国または地方公共団体に賠償責任があるとしている。特別職の市議も公務員に含まれ、議場内での発言が職務にあたるため、今回市が被告となった。
 
 市総務課によると、今年8月27日付で提訴され、12月1日に第1回口頭弁論が和地裁であり、市の顧問弁護士が電話で応じた。第2回口頭弁論は1月下旬予定という。応訴しなければ損害賠償請求を命じられるため、今回の弁護士費用はやむを得ないとしている。
 
 2氏を巡っては、2018年の9月定例会で、女性議員からセクハラの疑いをかけられていると男性議員が公表したことにより、女性議員が名誉を傷つけられたとして謝罪を求める処分を要求。対して、男性議員も名誉棄損の疑いで同年10月、市に慰謝料200万円を求め提訴し、女性議員に対する訴訟も起こした。その後、個人間の訴訟で和解が成立したことなどを理由に、男性議員は2019年3月、市に対する訴訟を取り下げていた。
 
 法律に基づいた訴訟であるにしても、個人間で和解したのだから、なぜ個人間で対処できないのだろうか。今回の訴訟が市民にもたらす恩恵はない。コロナ禍でいろいろな事業者や市民は苦労している。例年であれば繁忙期のはずの飲食店は第3波到来で再び悲鳴を上げ始め、年末年始の帰省や旅行に関して市民や観光客なども難しい判断を迫られている。市当局も引き続き、感染防止や経済対策に取り組んでいかなければならない。そんな最中の訴訟。市民のためにならない税金投入は残念で、「納得できない」と市民の声が上がるのも無理はない。
 
 いま一度各自治体は、住民のための行政であることを再認識し、コロナ対策に集中してもらいたい。
 

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