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社説「新たな様式 定着か」

 新型コロナウイルスの感染拡大により、われわれの生活のさまざまな場面で新たな様式が生まれているが、運動会(体育祭)のあり方についてもこれまでの形を見直す機会となっている。

 小中学校の運動会といえば「スポーツの秋」の代名詞の一つとして、一昔前までは9~10月の実施が当たり前だった。近年は学校週5日制による授業日数の関係や秋に行事が集中することを避けるため、初夏に行う学校が増えた。気候的にも熱中症への不安が少ないという利点もあり、これが定着。ところがコロナ禍の今年は、春先から臨時休校が続き、再開後も3密を避けるため全体行事は難しく、秋に延期となっていた。学校行事が相次いで中止になるなか、「せめて運動会だけは開きたい」という思いがどの学校にもあった。
 
 本紙エリアの大半の学校が感染防止対策を取りながら、午前中のみの短縮プログラムでの開催。子ども同士が接触する騎馬戦や組体操などの花形種目をなくし、前半に低学年、後半に高学年と2部制を敷き、観戦の保護者も含めて入れ替えをする学校もあった。各学校の様子を見ると、一人が出場する種目はやや少ないが、間延びすることなくテンポよく進んだ印象がある。保護者にとっても一日を費やすことなく、短時間で済むため参加しやすかったとの声も。場所取りや昼食の弁当準備の負担も軽減された。運動会終了後、新宮市内など飲食店では家族らで食事を楽しむ光景が数多く見られ、経済効果にも一役買った。
 
 来年はもとの形に戻すのか、それとも今年の形を続けるのか、各学校の判断になるが、子どもや保護者の声を聞いたり、教職員の負担面を考えたりして決めてもらいたい。
 
 新型コロナの終息はまだ先になりそうだが、年が明ければ卒業シーズンを迎える。今春の卒業生はまさにコロナの感染拡大が始まった時期で、満足な卒業式ではなかったはずだが、「コロナ世代」として気の毒に思うのではなく、新たな様式への転換期と捉えるべき。来春の卒業式も現状では例年通りの形での開催は難しい。コロナ禍で普及したオンラインも使うなど創意工夫し、今の段階から新たな形を模索していけばよいのではないか。
 

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