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社説「家庭で防災を考えよう」

 30日から防災週間が始まる。市町をはじめ、国や県も関係機関や団体が連携して防災訓練を実施してきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で取り止めとなり、家庭での対応がいっそう大切になる。

 家庭での必要な対策として挙げられるのが家具の固定や備蓄品の点検、自宅周辺の危険箇所の確認など。

 家具の固定では、大地震が発生したときは「必ず倒れるもの」と考えて転倒防止対策を講じておく必要があり、寝室や子ども部屋などにはできるだけ家具を置かない、家具が倒れても入り口をふさがない配置を考えたい。

 食料や生活必需品などの備蓄は最低3日分とされているが、南海トラフ地震の震源域が半分動く「半割れ」による1週間の事前避難のほか、新型インフルエンザ対策でも最低2週間程度の食品や日用品、医薬品などの備蓄が勧められている。

 かつて、防災学習会で住民が持参した非常持ち出し袋を点検したところ、賞味期限が切れた食料品があった。

 食料品のほか、市販薬にも使用期限はあるし、乾電池は古くなると液漏れして機器が使えなくなることがある。期限が近付いているものは普段使いに回し、新品を補充しておけば安心。

自宅周辺の危険箇所の確認も不可欠。全員避難で住民が殺到すると集団感染のリスクが高まることから、自宅2階や友人・知人宅へ避難する選択肢も必要。そのためには、どの災害に弱いのかを把握しておく必要がある。

 そして、避難ルートのチェック。避難場所へ行くまでの間に危険なものはないか、第2、第3のルートは確保できているか…。夜間の避難訓練を行っているところは少ないが、夜はどういう状況になるのか、さらに、停電した場合はどうなのかを確認しておくことも大切。

このほか、家族同士の安否確認の方法や最終的な集合場所の取り決めなど、やるべきことは少なくない。

 自助に加えて必要なのが共助。災害が大きくなればなるほど公助は難しい。自主防災会をはじめ、隣近所との打ち合わせで、認識を共有しておくことが大切。

 9月1日は防災の日。自分や家族の安全をどう守るのか、点検や確認を行い、備える日としたいものである。

      社説

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