新緑がまぶしい5月、本来であれば人々の足取りが軽くなる季節だが、今のこの地域はどうだろうか。
空き店舗が増え、人影がまばらな尾鷲の商店街。目抜き通りには、舗装の隙間から草が伸び放題で、失われた地域の活力を象徴するかのようだ。ゴールデンウイークの帰省客らの目にはどう映ったのだろうか。
人通りが絶えれば道は荒れ、荒れた道はさらに人を遠ざける。こうした負の連鎖を断ち切るのは容易ではないが、このまま衰退を黙認していいはずがない。
人口減少が深刻化する中、地方自治体に今求められるのはインフラ整備や住みやすさではない。「この町は何で稼ぐ町か」を明確にするテーマ性と、それを軸にした経済戦略ではないか。
掲げたテーマは市民が納得し共有できるものでないといけない。そのために、まちづくりを行政任せにしてはいけない。テーマを明確にし、市民が当事者として動き出せば、再び稼ぐ力を取り戻せる。足元の雑草一本を取り除くことからでも、このまちの「当事者」であることを思い出すべきだ。
(N)
