新宮市は通過型観光の解消を図るべく、宿泊・滞在そのものが目的となり得る付加価値の高い宿泊滞在施設、いわゆる「高級ホテル」を同市徐福のJR新宮駅前の市営駐車場(市有地)に誘致する計画を立てて公募したが、4月末までの申請受付期間内に名乗りを上げる事業者はなかった。市は、約半年間の募集期間を設けたうえで不調に終わった結果に加え、建設資材高騰などの社会情勢などを踏まえたうえで再公募は行わない考えを示しており、この計画は白紙となった。
前市長時代に市の課題である通過型観光の解消を目指して作られた計画で、JR新宮駅に隣接する市営駐車場・駐輪場「はまゆう」の一部約3000平方メートルを事業者に有償で貸与し、富裕層やインバウンド向けに宿泊価格がおおむね1人1泊5万円以上のサービス提供を要件としたホテルを整備するもの。"市の顔"となる新宮駅の隣接用地を活用することで、中心市街地の活性化と駅前整備の推進につなげる狙いもあった。
前市長によるトップセールスで事業実現への期待感は高まっていた一方、市民に対する十分な情報公開や説明がされていないとして、市内の商店街振興組合から慎重に事業を進めるよう求める意見書が提出され、市は当初の公募スケジュールを変更。また、市議会総務建設委員会でも議論不足を指摘する声や、事業の透明性に疑義を示す声もあり、事業の行方が注目されていた。
プロポーザル方式の公募が不調に終わった場合、条件を緩和して再公募するケースも多いが、市は公募期間終了後、興味・関心を示していた事業者に聞き取りしたところ、中東情勢の影響も受けるなどして建設資材高騰や入荷自体が難しい資材もあることや、人件費高騰などを理由に態度を硬化させた事業者もいたという。
今後については、一時利用駐車場としての運営を継続し、用地のあり方について改めて検討を進めていくとしている。

