那智勝浦町の熊野那智大社で14日、午前中から夕方にかけて例大祭「那智の扇祭り」が斎行(さいこう)された。約6000人(同大社発表)の参拝客が訪れ、伝統の祭事や奉賛行事でにぎわいをみせた。
「那智の扇祭り」は国指定重要無形民俗文化財。熊野の神々が年に一度、扇神輿(おうぎみこし)に乗って那智の滝へ里帰りし、神威を新たにする祭典。
前日の宵宮に続き、午前に境内の舞台で市野々小児童らが龍笛に合わせ、装束姿で「大和舞」を披露。続いて、那智田楽保存会が締太鼓やビンザサラなどを鳴らしながら躍り、室町時代から伝わるという「那智の田楽」(国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産)を奉納した。
扇神興12体無事に渡御
午後は熊野十二所権現が遷された12体の扇神輿(高さ約6メートル・幅約1メートル)が本社から伏拝を経て、御滝前の別宮・飛瀧神社へ渡御。氏子らが12体の大松明(最大約50キロ)を抱えて石段を練り歩き、炎で参道を清めて迎えた。朝から小雨が降るも、この御火行事ではほぼ止み、通称「那智の火祭り」の由来である、炎の乱舞が観衆を圧倒した。
続いて「扇褒め神事」を受けた扇神輿が御滝前斎場に並び、祝詞(のりと)奏上などが行われた。御滝前広場で御田刈式を行った後に大松明を奉持した氏子らが扇子を持ち、御滝御幸の歌と共に「那瀑舞(なばくまい)」を奉納。御滝本での神事を終え、扇神輿は本社に還御した。
