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紀南抄「阪神・淡路大震災から29年」

 1995年1月17日早朝、淡路島北部を震源とする最大震度7の揺れが関西地域を襲った。阪神・淡路大震災から29年。今年も多くの人が祈りを捧げた。つい先日、能登半島地震が発生したばかり。対岸の火事ではないと身構える。
 
 阪神・淡路大震災の数年後、復興に携わった人の講演を聞く機会があった。その中で、混乱する現地での指示待ちボランティアの発生、人手不足による支援物資仕分けの課題などについて話していた。今回の能登半島地震でも、発生直後には個人での現地入りや支援物資は待ってほしいという被災地の要望もあった。人の善意を断るのは大変心苦しかったと思う。
 
 被災者を思い、自分ができることは何かと考える。紀伊半島大水害の時には私も被災者だった。多くのボランティアが来てくれて各地で大活躍していたし、支援物資もたくさんの人を助けた。わが家には、義援金が届いた。生活を立て直すためにお金が必要だったので、大変ありがたかった。先述の講演者も、義援金が最もありがたいと言っていた。気持ちばかりであるが、募金をしようと思う。
 
【織】

      紀南紗

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