新宮市消防署が本格的な水辺のレジャーシーズンを前に水難救助訓練を実施した。水の事故は夏場を連想するが、海と川に囲まれた自然景観から、さまざまなレジャーを楽しむ人が多く、一年を通して発生の可能性があるという。
訓練の様子を取材したが、隊員らは大きな声で指示や確認を交わすなど、きびきびとした動きで本番さながらの緊迫感が漂っていた。訓練終了後、総括を聞く中で、陸上救助に比べ水難救助は隊員の危険をより伴うことから、各部隊の連携を強く意識して訓練に臨んでいるということが分かった。確かに、海中で溺れている人を助けようと入った人が亡くなるというケースも少なくない。水中では自分が思うほど自由が利かず、要救助者も想像以上の力でしがみついてくるだけに、救助する側の安全を十分に確保したうえで行わないと、“プロ”であっても二次被害を生むおそれがある。
コロナ禍で水浴場を開設するところ、しないところで分かれるが、巣ごもり状態が続きストレスを発散させようと出かける人たちは多いだろう。まずは自分自身で水の事故に遭わないよう、しっかりと心得ることが大切だ。
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