台風14号の影響を受け、紀宝町浅里の県道小船紀宝線で大規模な地すべり崩落が2か所で発生。このため、同線は通行止めになっている。12日、鈴木英敬知事が現地を視察に訪れ、「専門家の意見を参考にしながら、早急な対策を講じる」とした。
浅里小学校跡地付近の上方斜面で平成24年に亀裂を発見。県も町も監視を続けてきた。排水工事や鋼管杭工事などの対策も行われた。これにより地すべりは収まったかに見えたが、平成29年の台風21号の影響で別の場所で新たな亀裂が見つかり、有識者の意見をもとに、排水工事が行われ、今年の9月に工事は完了していた。
現地を視察した和歌山大学・客員教授の後誠介さんによると、「火成岩との地質境界近くの熊野層群。地すべりや崩壊の発生頻度が高いところ」という。また、後さんによると、「山の神をお祀(まつ)りしているところは、あまり動いていないように思う」とし、「生活改善センターの裏側に山の神が祀られており興味深い」と教えてくれた。
科学的根拠はないが、「祈り」は人間の根源的な力である。「至誠天に通ず」。
【茂】