数十年ぶりに、子どものころよく遊んでいた公園に行った。子どものころは果てしなく感じた公園に続く階段は、大人になった今降りてみると、それほどの距離ではなく拍子抜けした。シンボル的存在だったバラの形の迷路も、綱を渡る遊具もなくなっていてずいぶん様変わりしていたが、中世ヨーロッパ風の東屋は、新しくなっていたものの面影が残っていた。
割と大きな公園で、メインの広場以外に下の公園と呼ばれる所があった。その端っこの海の見える場所に、キノコの形のテーブルとイスがあって、とてもかわいらしくて大好きだった。
下の公園はうっそうと木々が生い茂っているので、当時親からあまり行ってはいけないと言われていた。確かに今でも公園への遊歩道すら薄暗い感じで、なんとなく怖くなって行くのをやめた。グーグルマップで確認するとキノコのベンチは見当たらないので、もう撤去されてしまったかもしれない。できることならもう一度見てみたかった。
懐かしさとともに、記憶のあいまいさも感じた子ども時代へのタイムスリップだった。
【織】
